M030:非接触(音声)によるオーダーシステムの導入による利便性の検証
実施時期 | 2020年10月19日~2021年1月22日 |
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ステータス | 完了(撤去済) |
カテゴリ | 効率,創造 |
場所・空間 | point 0 marunouchi |
背景・課題
コロナ禍のオフィス運用における接触・接近機会の制限と適切な人員配置によるコスト最適化に向け、非接触型で運営をサポートできるシステムの開発を目指した。
概要
音声のみをトリガーに注文ができる「ボイスオーダー機能」をもつテーブルを開発。また、複数人が同一空間から参加するWEB会議において声が聞こえにくくなる課題に対して、マイクとパネルスピーカーを内蔵させ、高品質な音環境を実現。非接触型の照明も一体化させることで、スタイリッシュなデザインに仕上げた。
運営事業者並びに利用者を対象にしたアンケート、コーヒーの売上高・出荷数、会議室の利用率などから、各機能の効果・利便性を検証。
検証結果
<ボイスオーダー機能・WEB会議機能>
ボイスオーダー機能については、音声認識に課題を残し、アンケート結果でも低評価となった。一方で、問題なく利用できた方からは「便利で感動した」との感想も寄せられた。
WEB会議における音環境については、7割以上から高評価を得た。「音声がクリアなことにより、まるで近くにいるかのような体験をした」、「スピーカーが変わるだけでWEB会議の快適性があがったことに驚いた」という意見もあり、今後の会議室に欠かせないソリューションとなる可能性を実証できた。
なお、設置期間中の会議室利用率は110%UP(実証実験前後の3か月での比較)したが、別会議室の利用率も上がっており、本実証実験との関連性は検証できなかった。また、コーヒーの売上額に関しても大きな影響を与えたとは言い切れない結果となった。
今後の展開
利便性が立証できたWEB会議機能テーブルは、H¹T Lab powered by point0(新宿野村ビル)に導入。
効果を実証できたパネルスピーカーをアートと組み合わせた「アートパネルスピーカー」も新たに製作し、point 0 satellite各店への導入を進めている。(2021年11月時点 サテライト4拠点すべてに導入)
音声認識については、認識エンジンの改良に加えて、利便性の高い音声入力デバイスの改善などを検討継続する。
Project Member プロジェクトメンバー
- 株式会社丹青社SE事業部 第1PM統括部 副統括部長紺野 慶
日本全国のアパレルショップや食・物販店等の店舗づくりのプロジェクトマネージャーを経て現職。SDGsやDX等社会的な動きをいち早くリテール分野に取り込み、これからの専門店のありかたを提案する。
- 株式会社丹青社SE事業部 開発部 開発1課石川 歩
店舗事業者視点での新たなプロダクトの企画から、顧客を巻き込んだ新規事業にも積極的に取り組み、プロジェクトマネージャーの立場から新たな空間価値の創造を進める。
- 株式会社丹青社デザインセンター リテールデザイン局 第1デザインユニット鶴岡 信人
アパレル・物販店などの専門店設計を中心に従事。環境・目的・課題から空間の本質について考え、常に生活者の視点でものづくりに取り組むことをモットーとする。
- 株式会社丹青社CMIセンター 空間メディアマーケティング統括部 空間メディアプロデュース室名雪 慎也
空間体験の価値を最大化・最適化する専門チーム「CMIセンター」において、映像演出を主に手がける。また、映像に関するノウハウを活用し、映像機材を取り入れた新たなプロダクト開発にも携わっている。
- 株式会社丹青社企画開発センター 企画部浅川 浩明
アパレル・物販店などの専門店の営業担当を経て、現在は企画部にて他社との協業を推進中。これまでのノウハウを生かし、新たなソリューション・プロダクトを開発中。
- TOA株式会社ネクストビジネス推進室竹本 悠平
2013年 TOA株式会社入社。関西エリアで鉄道事業者・通信事業者との共創での、“街の安全を守るIoTを活用した防犯カメラシステム”の納入に従事。2020年より東京へ異動、新規事業推進担当としてpoint0 での活動を通じて事業化へ向けて活動。
- TOA株式会社ソリューション営業本部 営業戦略部 副部長空山 雅一
入社後、国内の商業施設や金融機関等の音響・BGMコンサルティング営業を担当。海外出向も経験し、中国・東アジア事業部長などを歴任。現在は国内外問わず、空間内の音コンサルティングを軸に活動。