Interview with Mr.Uno of Lion Corporation

    第二回目のpoint 0 committee インタビュー。今回はpoint 0 の取締役でもあるライオン株式会社の宇野さんにお話をお伺いしてきました!

    <Q.まずは、ライオン株式会社と宇野さんのいらっしゃるイノベーションラボについて教えてください。>
    ライオン株式会社は、「今日を愛する。」というスローガンのもと、創業以来128年、一般のご家庭向けに生活に欠かせない日用品を製造・販売してきました。
    昨年の1月に2030年に向けて当社が目指すべき姿として「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げました。その一環として、新規事業創出をミッションとするイノベーションラボが研究開発本部のなかに設立されました。
    イノベーションラボでは
    ・イノベーションの量と質とスピードを高めるための「全社のハブになる」こと
    ・また既存の組織の枠組みに依存しない形で、驚きのある「事業をつくる」こと
    この2つがミッションとして掲げられており、社内においても今までにないポジションの部所であると捉えています。
    研究開発本部内での設立であることから、立ち上げ当初は元研究員ばかりでしたが、最近では営業やリサーチを経験してきた人や文系出身の人が入るなど、人材の多様性も増してきております。

    <Q.実際にこれまでどのようなことがイノベーションラボで行われてきたのでしょうか?>
    代表的なプロジェクトは3つあります。

    1つ目は、「VISOURIRE(ヴィスリール)」という、口の中から表情筋へアプローチする美容機器です。
    様々な美容機器が世の中にはありますが、「VISOURIRE」は、口の中に入れて頬の裏側から音波振動を与えるとともに、ほうれい線を手軽に押し上げるようにして使う美容機器として開発されました。
    まさに長い間口内環境について考えてきた私たちだからこそ、創ることができたものだと考えています。
    昨年の10月にクラウドファンディングを通して、目標を大幅に超える支援をいただくことができ、先日商品を支援者にお送りすることができました。
    また8月初旬には、ここpoint 0で支援者にお集まりいただいたイベントも開催されました。
    今後は支援者からのフィードバックを踏まえ、店頭などで販売をしてまいります。
    https://www.makuake.com/project/visourire/


    2つ目のプロジェクトは、舌の写真をスマホで撮影をすることで、口臭のリスクを確認できる「RePERO(リペロ)」というアプリですね。
    現在はこのアプリを使い、BtoBのサービスビジネスに向けた実証実験を行なっている段階です。
    https://repero.lion.co.jp/

    そして3つ目は、「Possi(ポッシ)」という商品になります。
    今年の7月からクラウドファンディングにて支援募集を行い、目標金額2000万円を達成しました。
    https://first-flight.sony.com/pj/possi
    この商品は、京セラさんと当社が共同で開発をしており、ソニーさんのスタートアップ支援事業SSAPが事業化に向けた支援を行っている3社合同のプロジェクトです。
    商品としては骨伝導の技術を使った、子どもの仕上げ磨き用の歯ブラシです。
    ではPossiの何がすごいかと言うと、子どもが嫌がる歯磨きを親子にとって楽しい時間に変えてくれることにあります。
    Possiは骨伝導の技術を使い、歯ブラシの毛先が子どもの歯に接した時だけ音楽が聞こえるようにすることで、子どもにとって仕上げ磨きの時間がとっても楽しいものになるわけです。親にとっても、仕上げ磨きをすれば子どもが喜んでくれるという、たまらなく幸せな時間です。

    <Q.かなり斬新で面白い商品ですね。>
    そうですね。3社合同だったからこそ創ることのできた商品だと思います。
    京セラさんの骨伝導の技術と当社の歯ブラシづくりの技術、そしてソニーさんのクリエイティブチームによる歯ブラシの斬新なデザインと商品の世界観、これらが組み合わさってPossiが出来上がっています。

    <Q.続いては、今回ライオンがpoint 0に参画することになった経緯について教えてください。>
    私たちのラボは常に新規事業を作ることをミッションとしているため、常に何か良い機会がないかアンテナを張っているわけなのですが、そんななかダイキン工業の石原さん(point 0 CEO)とラボのメンバーの一人がpoint 0について話したのがきっかけでした。しかも最初の話し合いでそのラボのメンバーは石原さんの話に共感し、私が最初にpoint 0について知った時には、前向きに話が進んでいました。
    これまでは「家庭」が私たちのマーケットだったわけですが、point 0に参画することで、例えばpoint 0 marunouchiが「オフィス空間」であるように、新しいマーケットに入り込める可能性を感じたため、参画することを決めました。

    <Q.社内での反応はどうでしたか。>
    もともと新規事業を創ることが目的の部所なため新しいことにチャレンジすることに対しては何も言われないのですが、さすがに会社(point 0)を立ち上げることになったことに対しては驚きの声が多かったです。

    <Q.今後point 0ではどのようなことをしていきたいとお考えですか。 >
    実はpoint 0 marunouchiで働いているラボのメンバーに香りの研究をやっていたメンバーがいるため、「香り」をキーワードに何かできればいいと考えています。
    例えば、様々な香りを出せるデバイスを会議室に設置して、会議の状況に合わせて香りを出せたら面白いですよね。
    会議が煮詰まったときにそれを感知して、その場を和ませる香りを自動で放出するなど。
    それから、先ほどご紹介した口臭リスクが確認できるアプリのテストもここでできるのではないかと考えています。
    もともと接客業向けに開発されたアプリですが、オフィスで働く方も打ち合わせの時など口臭を気にするシーンは色々あるはずで、実際に働く方がどういった状況でこのアプリを使ってくれるのかを見られたら面白いと考えています。
    また新しい商品だけではなく、既存の商品をユーザーがオフィスでどのように使ってくれるのかを見ることも、今後の商品開発に活かせるのではないかと感じています

    <Q.最後に利用者の方にメッセージをお願いします。>
    私がpoint 0で期待しているのは、他社間での共創です。
    そしてpoint 0であれば、本当にそれが実現できると信じています。
    なぜならば、point 0に参画するということは、共創することにコミットしているということですから。
    だから、皆さん一緒に何かを創りましょう!
    point 0 marunouchi におりますので、ぜひお話しましょう!
    <ありがとうございました!>

    【宇野 大介】
    ライオン株式会社 研究開発本部
    イノベーションラボ 所長
    1990年ライオン株式会社入社。歯磨剤の研究開発を約16年担当の後、クリニカブランドのブランド
    マネジャーを担当。更に歯磨剤開発マネジメントを経た後、オーラルケア製品の生産技術開発の
    マネジメントを担当。
    2018年、新規事業創出をミッションとしたイノベーションラボ発足と同時に所長に就任、現在に至る。
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    point 0設立に伴い、2019年7月より同社取締役に就任。